おはようございます。
エジプトの「顔が人で身体がライオン」のスフィンクスには
「道行く人に謎解きを挑んだ」という有名な伝説があります。
周辺の住民が通りかかると「朝は4本足、昼は2本足、
夜になると3本足になるものとは何か」という謎を浴びせ、
答えられなかったり、間違ったりしたものを容赦なく食い殺した
というのです。
ところが、このスフィンクスの問いかけに対し、オイディプスという人が
「それは人間だ。最初は赤ん坊ではいはいをするから4本足、
成長すると2本の足で歩き、老年になると杖をついて歩くので3本足である。」
と答えたのです。
これは正解であり、それを聞いたスフィンクスは、
いつも鎮座していた台座から飛び降りて海に飛び込み、
死んでしまったといいます。
ところで最近私は、この伝説を思い出さざるを得ないような経験をしました。
ギックリ腰です。
このところ、全国各地の病院への経営コンサルタント活動で、
地方出張や病院幹部の方へのヒヤリング等が続き、
長時間座ることが増えていたせいでしょうか、
それともどこか筋でも捻ったせいでしょうか、
はたまた歳をとって筋力が衰えてきたせいでしょうか、
原因は全く不明ですが、地方出張から帰った翌朝(7/23)から
急にギックリ腰となりました。
その起居時の激痛から昨日まで、自宅でほとんど寝て過ごしたのですが、
それでも自宅内とは言え、最低限、TV会議のある時は居間へ、
またトイレ等にも立って移動しなければなりません。
それで、息子に杖代わりの棒を調達してきてもらって、
立つ時や移動する時は、それを支えにするようにしたのですが、
その結果、我家では、私が歩く時、宝島のシルバー船長よろしく、
コツコツという杖の音が響くようになりました。
それはまさしくスフィンクスの謎に対する答えにある
「杖をついて歩き、3本足となる人間」の姿そのもので、改めて
「人は歳をとるとこうして杖をついて、3本足で歩くことになるのか」
と実感しました。
もっとも蛇足ながら、私の場合、正確には3歩足ではなく、
4本足でした。
確かに最初のうちは、1本の棒を杖にして歩いていたのですが、
息子が「お父さん。こちらの方が、スキーのストックみたいで、
安定していてよくない?」と言って、同じ長さの2本の棒を
調達してきてくれましたので、そうしてみると確かに
体重移動が容易で具合がいい。
歩く時には、棒を1本、杖として使うより、2本、ストックのようにして
使うのが便利で、腰への負担も少ないと知りました。
だからもし今私にスフィンクスが同じように
「朝は4本足、昼は2本足、夜になると3本足になるものとは何か」
という謎かけをしてきたら、私は今回の経験から、
「質問が適切でないので質問者に訂正を求めたい。
『夜は3本足ではなく4本足になるものとは何か』
と訂正してもらいたい」と答えると思います。
それにしても今日は腰の痛みが引いたので、
私は今机に向かってパソコンでこの文章を書いているのですが、
この3日間の4本足の生活を思い出して、
「腰は人間の身体の要(かなめ)なので、腰が機能しないと身動き出来ない」
とつくづく感じるとともに、「ギックリ腰だけはもう御免だ」
と思っています。
それではまた。